3日後に書くブログ

映画を観た約3日後に感想を書きます。あとは好きな俳優への愛の吐露

『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』を観て3日後に思うこと/どこまでも観客に寄り添う映画

以前からおすすめだよと聞いていた『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(原題:About Time)を観ました。評判どおりよかったです!2016年5月28日(日)自宅にてDVDで鑑賞です。

 

以下映画の内容に触れるためネタバレしています。ご注意ください。

 

 

ジャケットの写真から、鑑賞前はラブストーリーを想像していたのですが、実際は恋愛模様よりもあたたかな家族模様がメインの物語でした。21歳のお正月に主人公のティム(ドーナル・グリーソン)が父親ビル・ナイ)から「この家の男はみんなタイムワープ能力を持っている」と伝えられるところから物語は始まります。

この映画のすごいなあと思ったところは、最後まで観客を見放さないところです。タイムワープものを観ていると頭がこんがらがって置いてけぼりを食らってしまったり、そうでなくとも(これはSF映画全体に言えることですが、)非現実的すぎて途中で冷めてしまうことがあります。しかしこの映画のタイムワープは、戻れるのは自分の過去だけ。主人公の目的は「世界を変えよう!」なんて大それたものではなく、愛を手に入れること。そんな親しみやすさが、この映画をだれにとっても観易い映画にしていると思います。

この映画が観客想いであることが何より顕著に表れているのは、ラストシーンです。

ティムは「同じ日を全く同じように二度繰り返すことで、一度目には気付くことができない日々の楽しみに気付くことができる」と、タイムワープの秘訣を死の際にいる父親から教わります。その教えに従って日々を過ごす中で、彼は「はじめから日々『今日は二度目の今日だ』と思って過ごすことで、毎日を楽しむことができる」という、新たなタイムワープの秘訣を発見します。

ティムが辿り着いたこの究極のタイムワープの秘訣は、タイムワープをできない観客に対しても人生のヒントを与えてくれます。「タイムワープ能力、羨ましいなあ」と思いながら観ていた観客にも、最後にチャンスを与えてくれる。こんなふうに最後まで観客に寄り添ってくれる映画ってなんだか珍しい気がして、すこし感動しました。(最近はついて来られる奴だけついて来い!みたいな映画も多いから。そういうのもけっこうすきですけど。)

さらに、ティム(と妹のキットカットちゃん)は、宣言通りタイムワープによって愛を手に入れます。この映画はある意味究極の、「願えば叶うよ」「望めば手に入るよ」ストーリーであって、大きな希望に満ちている。鑑賞後はネガティブな感情はほとんど消えて、明日から日々をもうすこし大切にしようというあたたかな気持ちで満たされていました。どこまでも観客を大切にしてくれる作品だったなあと改めて思います。

 

登場人物はみんなみんなとっても愛しいです。ティムとメアリーはもちろん、妹のキットカットちゃんを筆頭にパパ、ママ、おじさん、友達のローリー、ハリー……彼らを囲む全員がすごくやわらかくてあたたかい。演じている俳優さんたちも素敵で、ドーナル・グリーソンくんやレイチェル・マクアダムスはとってもかわいいし、ビル・ナイはいつだって最高おじいちゃん!彼が画面に出てきたときには思わずガッツポーズしてしまいます。個人的にいま気になっているのは、ティムの初恋の相手役のマーゴット・ロビーちゃんです。めっちゃくちゃ美人さん…!!スーサイド・スクワッドハーレイ・クイン役と聞いて、期待は高まるばかりです!

 

最後にもうひとつ気になったことといえば、パパはどのくらい長い人生を過ごしたのかなあということ。50歳で大学教授を辞めたのも、何度もやり直しをしながら選んだ道なんだろうなあ。自由に暮らし家族に愛される幸せな表情を見て、繰り返し日々を過ごすなかで選び手に入れてきた彼にとって最も幸せな人生を見せてもらった気がしています。