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3日後に書くブログ

映画を観た約3日後に感想を書きます。あとは好きな俳優への愛の吐露

『エクス・マキナ』を観て3日後に思うこと/今観たい映画の完全体

エクス・マキナ』(原題:Ex Machina)2016年6月17日(金)テアトル梅田 劇場①にて鑑賞です。

 

 

以下、映画の内容に触れるためネタバレしています。ご注意ください。

 『エクス・マキナ』、まさに今わたしが観たい映画の完全体、って感じでめちゃくちゃ興奮しました。あ、わたし今まさにひとつの未来像を見せられているんだなって映画館で震えちゃったもん。映画に描かれる未来性というものにわたしは関心があります。

最も未来を感じた点のひとつは、ネイサンの体をナイフが貫く「音」です。ああいった電子音は未来を感じさせる音であり、現世とは離れた世界を思わせます。従来の肉体に刃物が突き刺さる音ではないだけで、新しい儀式が行われているような、なんだか神聖なものを見せられているような、そんな不思議な気持ちにさせられました。人間がAIに殺されている様子に神聖さを覚えるというのもおかしな話ですが。美しさに対する崇拝かな。

このシーンのひとつ前、エヴァが部屋を出てきてキョウコとやり取りする姿にもすごくぞくぞくしました。人間の言葉を理解できないキョウコとの間で、きっと彼女たちにしか理解できない言語での意思疎通が行われていたんですよね。もしかしたら二人で家を抜け出す計画を立てていたかもしれない。すごく危うくて、怪しくて、美しい。この映画はすべて彼らの美しさがあって成立しているのだと思います。

エヴァの完璧な美しさには画面に出てきた瞬間から心を奪われるけれど、そこには危うさも含まれている。透けた体の中を覗いてしまうなんてまるで見てはいけないものを見ている気持ちにさせられるし、なだらかな胸のふくらみもきっと硬くて冷たい金属なのだと思うと手を伸ばしていいものかと迷ってしまいます。そんな彼女にケイレヴが惹かれたのは、常にガラス1枚隔てられて手を伸ばしても触れられなかったからこそだろうなあ。

ネイサンについては、演じたオスカー・アイザックがパンフレットで「彼は肉体的なものを求めている」と話していたのが印象的でした。人工知能を開発し同居する男が体を鍛える理由は、人間の肉体を人工的な造形美まで高めたいのかとも思ったのですが、あの空間で絶対的で安心できるものは自身の肉体しかなかったんだろうと思います。筋肉は裏切らないから。

映画のラストを知ってしまうと自分の周りの世界のこともなんだか疑い始めてしまう。ケイレヴが自分の血を確認せずにはいられなかったのもよくわかります。観てしまったら観るには戻れなくなってしまう、というのはいい映画の条件の一つだと思います。ダンスシーンがあることもね!